東京科学機器協会設立までの経緯

東京理化学器械同業組合の設立

東京科学機器協会のルーツは、大正8年1月設立の、東京理化学器械同業組合に始まります。

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明治維新以来、開国によって海外から科学技術が怒涛の勢いで押し寄せてきたこの時代、政府は科学技術立国を推し進めようと数々の学術機関を創設し、産業の奨励を行ってきました。
そして、大正7年12月、大学令・高等学校令が公布され、大学の新設・増設など学校教育の振興育成は、大正時代の理化学機器業界の発展に大きな影響力を与えました。
こうした社会的背景の下で組合が発足したのです。

理化学器械のルーツは、硝子器具

理化学器械のルーツは、硝子器具に始まります。これは、大正初め頃の硝子の加工工場です。
当時としては、本当に大規模な工場でした。

ayumi02組合設立の3年後、大正11年3月。
わが国で初めて刊行された理化学器械の製品カタログである、「T.R.Kカタログ」には、ビーカ、フラスコなどの硝子器具から振とう攪拌機、ガス分析器まで多岐に亘って掲載されたものでした。

T.R.Kカタログは、全国3万ヶ所の需要家に提供し、商品知識の普及に大きな役割を果しました。

災害からの復興

ayumi03図に示されている製品は、電気オゾン発生器です。
価格は、1,700円。今の貨幣価値に換算しますと、およそ85万円。大正時代としては、かなり貴重な研究機器であったと思われます。
しかし、翌12年9月1日、突如として発生した関東大震災によってこのカタログ原版と大切な在庫カタログは、多くの組合員の工場や事業所とともに、全て焼失してしまいました。

災害からの復興と共に理化学業界も発展し、昭和4年4月、組合の創立10周年記念式典を上野精養軒で盛大に開催されました。
およそ200名の先達が参加。業界の関心の高まりが感じられます。
また、当時の服装からも年代が窺われます。

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東京理化学器械工業組合が設立

昭和16年、東京理化学器械工業組合が設立。
12月3日には、全国組織の日本理化学機器工業組合に改組しましたが、残念ながら商工省の指示により、強制的に整理されました。
この頃から戦時色が強まり、太平洋戦争に突入していきます。

[東京科学機器協会設立までの経緯]

  • 大正8年(1月)  – 東京理化学器械同業組合 設立
  • 昭和16年 – 東京理化学器械工業組合 設立
  • 昭和16年(12月) – 日本理化学器械工業組合 改組
  • 昭和19年(6月) – 日本理化学器械工業統制組合改組(東京理化学器械同業組合 解散)

ayumi05昭和19年6月、大正時代に設立した組合が解散。
統制令によって統制組合に組み込まれましたが、戦争末期にその機能は、喪失したのです。

前列右端の方は、戦後に発足される東京科学機協会の初代理事長 山川英蔵氏。上段中央の方は、第二代理事長 森川惣助氏。

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